2009年11月18日

【科学】ホタル いつから光っていた?

http://sankei.jp.msn.com/science/science/091116/scn0911160832002-n1.htm

 □体内物質が突然変異 謎の進化過程を再現

 神秘的な光を放つホタルなどの生物は、どのように発光能力を獲得したのだろう。名古屋大などの研究チームはホタルの進化を人工的に再現し、ありふれた体内物質の突然変異が光の起源だったことを突き止めた。謎に包まれた発光生物の進化の道筋が見えてきた。(長内洋介)

                  ◇

 光る生物は甲殻類のウミホタル、伊豆諸島・八丈島などに生息するきのこのヤコウタケ、昨年のノーベル化学賞を受けた下村脩氏が研究したオワンクラゲなど、その種類は意外に多く10万種ともいわれる。

 発光の仕組みはオワンクラゲなどを除いて基本的に同じだ。発光の基になる「ルシフェリン」という有機化合物が、発光酵素「ルシフェラーゼ」の働きで酸化され、光を出す。ただ、2つの物質の構造は生物ごとに異なり、詳しく研究されているのはごくわずか。進化の過程も分かっていない。

 名古屋大大学院の大場裕一助教(発光生物学)らは、ほとんどの生物が持っている脂肪代謝酵素と、ホタルの発光酵素の構造が似ていることに着目した。脂肪代謝酵素は、脂肪を燃やしてエネルギーに変える働きがある。これが発光酵素に突然変異したことが光のルーツではないかと考え、実験で検証した。

ホタル.jpg

ホタルの発光と進化


  
■結合部分にカギ

 ホタルの祖先に見立てたのは、あおむけにすると飛び跳ねるコメツキムシ科のサビキコリ。コメツキムシの仲間には、体が目玉のように光る南米産のヒカリコメツキもいるが、サビキコリは日本各地で見かける普通の光らない虫だ。

 ホタルの発光酵素は約500個のアミノ酸がつながったタンパク質で、特定の場所にルシフェリンが結合する。研究チームは、この結合部に進化のカギがあると予想。サビキコリの脂肪代謝酵素を構成するアミノ酸のうち、結合部に相当する数個を発光酵素と同じタイプに遺伝子操作で変えてみた。

 その結果、変異型の脂肪代謝酵素は発光能力を獲得。ホタルの1千分の1と弱い光だが、酵素の変異で光が生まれることを初めて実証した。進化の過程を人工的に再現したともいえる成果で、欧州の学術誌に論文が掲載された。

 大場助教は「生物の発光は特殊な現象に見えるが、ありふれた酵素が少し変化するだけで起きることが裏付けられた。この程度の変異は自然界でも十分に起こり得る」と話す。

 脂肪代謝酵素はエネルギーを得る重要な物質なのに、突然変異で無くなっても大丈夫なのか。実はホタルは、この酵素の遺伝子を進化の過程でコピーして増やし、本来の機能も巧みに温存しているのだ。

  
■威嚇から求愛へ

 もう一つの謎は、ルシフェリンの起源だ。オワンクラゲやホタルイカは、餌のプランクトンからルシフェリンを取り込んでいる。だがホタルは、幼虫が食べる貝類のカワニナにルシフェリンは含まれておらず、成虫は何も食べない。つまり体内で作って自給自足しているわけだが、その仕組みは分かっていない。

 そもそもホタルは何のために光るのか。オスとメスが繁殖時の交信に使うことはよく知られているが、未成熟な幼虫も光るので、これだけでは説明できない。大場助教は「最初は毒を持っていることを示す威嚇だった」とみる。

 ホタルには、1匹食べたトカゲが死ぬほどの毒があるという。赤と黒の体色も、言われてみれば毒々しい。捕食者への警告だった蛍光は、進化の過程で徐々に強度を増し、求愛や仲間とのコミュニケーションの手段へと発達したらしい。

 発光現象は植物や高等動物を除き、細菌から深海魚までの多様な生物で見られる。光を獲得する進化は、予想以上に頻繁に起きているようだ。「光るチョウ」や「光る鳥」といった変わり種も、どこかの秘境で人知れず息づいているかもしれない。(2009.11.16 産経新聞)





(´-`).。oO(他に光る生き物って海洋生物と菌類とクリリンぐらいですね・・・)
posted by まろんど at 07:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 甲虫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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