2010年01月09日

セクシーなメスは損、ショウジョウバエ

http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=55002173&expand

 美しさには代償が伴うようだ。最新の研究によると、“セクシー”なメスのショウジョウバエは、魅力に欠けるメスよりも苦労が多いという。

 研究チームのリーダーでカナダにあるトロント大学の進化生物学者トリスタン・ロング氏は次のように話す。「メスのショウジョウバエの魅力は体の大きさで決まる。産める卵の数が増えるからだ。しかし実際は、殺到するオスの求愛のため、産む卵の数は魅力に欠けるメスを下回ることになる」。

 同氏は理由を2つ挙げている。まず求愛が繰り返されるためメスがエサを探しに行けなくなり、さらには交尾回数があまりにも多いため、毒性の精液がメスの体内に過剰にため込まれてしまう。

 ショウジョウバエは寿命が約1カ月間と短く、世代を重ねた傾向を迅速に調査できるため、実験用のモデル生物として広く利用されている。

 ロング氏の研究チームは、「オスの求愛があまりに嵩じるとメスの生殖に悪影響を与える」というモデルを組み立て、実験を通じて検証した。

 大きなメスと小さなメスがそれぞれ1匹ずついる領域に1匹のオスを放つと、どのオスも大きなメスに言い寄る場合が多かった。さらに、オスの求愛を最小限に留めた場合と常に求愛にさらされる場合の2つの環境を設定し、大小2種類のメスの生涯出生率を比較した。その結果、後者の環境下では、大きなメスは小さなメスより出生率の落差が大きいことが判明した。

「進化生物学では、“性淘汰(せいとうた)と自然淘汰はいつでも補完的な関係にあるのか”という問題が議論されているが、今回の発見はこの議論を再燃させるものだ」とロング氏は話す。

 自然淘汰では生存の可能性が高い遺伝子が、異性をめぐる競争(性淘汰)では繁殖成功率を高める遺伝子が広がる。「個体の魅力は優れた遺伝子を持っているかどうかで決まるのかもしれない」とロング氏は話す。「優れた遺伝子を持つ個体の利益につながるからこそ、性淘汰による進化戦略が成功を収める。交尾相手や群れ全体の利益につながるからではない」。

 魅力的なメスに強引に迫るショウジョウバエのオスたちは、進化の観点から見ればしっぺ返しを受けているのかもしれない。オスたちの求愛はメスの出生率を下げ、繁殖能力に優れたメスを生み出す遺伝子が群れの中で広がるのを妨げている可能性があるからだ。

 ほかの種でも、オスの求愛から同様の被害を受けているメスがいる。ロング氏は次のように話す。「昆虫やトカゲのメスの多くは体内に精液を貯蔵する仕組みを持っており、1回の交尾で生涯分の卵子を受精できる。それでも、オスの度重なる求愛行動から逃れることはできない」。

 グッピーの場合、魅力的なメスに対してオスがあまりに激しく求愛するため、メスはエサを見つけることができなくなり事態はさらに悪化する。「メスのグッピーはオスの求愛から逃れようとして、捕食動物が生息する危険な水域まで移動することもある。命がけでセクハラから逃げるのだ」。

 ただし、美人はいつも不利だとも言えない。「ある種のコオロギの場合だが、メスはオスの精子を栄養たっぷりの袋入りで受け取ることがある」。

 研究成果はオンラインジャーナル「PLoS Biology」に2009年12月8日付で掲載されている。

(January 8, 2010 ナショナルジオグラフィック ニュース)





(´-`).。oO(「毒性の精液」についてもっとくわしく! kwsk!)
ラベル:新発見 交尾 生態
posted by まろんど at 09:29| Comment(0) | TrackBack(0) | ハエ目 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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