2010年06月27日

コウモリさんで害虫駆除

http://www.asahi.com/housing/world/TKY201006260172.html

 テキサス州の州都であり、湖や川などの自然に恵まれ、テキサス大学もあるオースティン市は、活気にあふれる町。毎年、全米最大の音楽フェスティバルが開かれるこの街を訪れる観光客も多い。

 そんなオースティンの意外な観光スポットは、ダウンタウンにあるコングレス・アベニューの橋の下に住むコウモリ鑑賞。実はこの橋、都会のコウモリの巣としては北米最大の規模で、春になると中央メキシコからメキシカン・フリーテイルと呼ばれるコウモリがオースティンに移動してくる。初夏には子供を生むので、コウモリの数は倍増するという。このため夏から10月にかけては、150万匹ものコウモリが食物となる昆虫を探して飛び回り、空の一部が黒く見えるほどになる。

コウモリさんで害虫駆除.JPG

テキサス州都オースティン市の名物の一つはコウモリ。
夕方になると害虫退治に出かけます


 コウモリというと悪いイメージがあるが、調査の結果、コウモリは人間にほとんど危害を与えず、逆に蚊などの害虫を含む昆虫をたくさん食べてくれるそう。オースティンでは、コウモリが毎夜1万キログラム分くらいの昆虫を食べるというのだから驚きである。

 オースティン市では、このコウモリの害虫駆除作業に敬意を表すべく、大きなコウモリの銅像を建てた。また同市には、国際コウモリ保存協会もあり、コウモリに関する情報提供や保護活動を行っている。

 夏になると蚊に悩まされるのはオースティン市も同じ。コウモリが蚊を食べてくれるなら、究極のエコロジー殺虫ではないか!そう思う人は、もちろん昔からいたようで、家庭用のバット・ハウス(コウモリの巣箱)を発見した。裏庭に野鳥がくるようにと、鳥の巣箱を庭の木に設置する人は多いが、コウモリの巣箱を設置する人もいるのである。

バット・ハウス.JPG

木に鳥の巣がかけてあるのかと思いきや、これはバット・ハウス(コウモリの巣箱)



バット・ハウス2.JPG
手作りのバット・ハウスで、野生のコウモリにぬくもりの家を提供?


 バット・ハウスは、郵便受け風のやや薄い木箱が多いようだ。ただ人間の住宅選びと同じで、結局は場所が重要。洞窟(どうくつ)や鉱山が近くにあれば、地域にコウモリがいる確率は非常に高い。また、食物となる昆虫がたくさんいる場所を選ぶので、川や湖の近くでないと、せっかくバット・ハウスを設置しても、入居してもらえないらしい。そして日当たりの良い、暖かい家でないとダメだとか。コウモリの場合も、家選びは何といってもロケーションなのだ。

大型のバット・ハウス.JPG

こちらは大型のバット・ハウス。コウモリさんたちの団地といったところでしょうか?


(2010年6月26日 朝日新聞)



(´-`).。oO(小鳥じゃだめなのかい・・・?)
タグ:害虫
posted by まろんど at 19:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 虫全般・研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月20日

東大、昆虫の社会における「おばあちゃん効果」を発見

http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=254282&lindID=4

昆虫の社会における「おばあちゃん効果」の発見 ―ヒトと昆虫の社会をつなぐ―

1.発表者:
 東京大学大学院総合文化研究科 広域システム科学系 博士課程3年 植松 圭吾
 東京大学大学院総合文化研究科 広域システム科学系 助教  柴尾 晴信
 東京大学大学院総合文化研究科 広域システム科学系 教授  嶋田 正和


2.発表概要:
 私たちは昆虫において、雌の成虫が繁殖を終了した後も生存し、自らを犠牲にして他の個体を守るという現象を発見しました。今回の発見は、同じく女性が繁殖終了後も長く生存するヒトの社会の進化に新たな洞察を与える成果であり、繁殖終了後の延命をもたらすメカニズムの解明につながることが期待されます。


3.発表内容:
 ヒトの女性は、閉経を迎え、繁殖能力を失った後も長生きします。しかしながら、繁殖終了後も長く生存することが進化的に維持されているのは大きな謎でした。近年の研究から、閉経後の生存は自らの繁殖を犠牲にしてでも、孫の養育など血縁者の繁殖を助けることにより進化的に維持されているという「おばあちゃん仮説」が提唱されています。繁殖能力を失った個体が血縁者の繁殖を助ける例はヒト、クジラなどの知能の高い哺乳類で知られており、年長者のもつ経験・知識がその進化を可能にしたと考えられています。しかし一方で、哺乳類以外の社会性生物では、繁殖終了後の個体による利他的行動は詳細に調べられていませんでした。

 昆虫においてはアリやミツバチなどで社会性が知られていますが、アブラムシの仲間にも社会性を持つ「社会性アブラムシ(注1)」が存在します。今回我々は、常緑樹のイスノキに虫こぶ(注2)を形成する社会性アブラムシであるヨシノミヤアブラムシ(注3)という種を研究対象としました。本種の虫こぶは1匹の個体から形成され、最終的には数千匹を収容できる巣のような構造になります(図1)。虫こぶの中にいるアブラムシは単為生殖によって増殖するため、1個の虫こぶ内で生息している虫たちは全て同じ遺伝子を持ったクローンの集団です。このヨシノミヤアブラムシにおいて、翅を持たない無翅成虫が、虫こぶの中に侵入する捕食者に対して自己犠牲的な防衛行動を行うことを発見しました。

 無翅成虫の腹部を刺激すると、腹部から粘着性の液体を分泌します(図2)。野外の虫こぶを調べると、分泌液によって捕食者に張り付いている無翅成虫が見られたことから、無翅成虫の分泌行動は外敵に対する防衛ではないかと考えました。そこで、実験室内において天敵のテントウムシ幼虫を虫こぶ内に導入する実験を行ったところ、無翅成虫が張り付くことが、捕食者の虫こぶ内への侵入を防ぐ効果を持つことがわかりました。しかしながら、無翅成虫はいったん敵に付着すると離れることが不可能となり、捨て身で防衛することにより虫こぶ内の他個体を守っています。
 防衛した無翅成虫を顕微鏡下で解剖すると、ほぼ全ての個体が子を産み終えていました。そこで、防衛を行う時期の無翅成虫を実験室内で飼育したところ、大部分の個体が繁殖能力を失った後も長く生存していました。さらに、成虫の体内を組織学的手法で調べた結果、子を産み終えた成虫の腹部は敵に張り付く際に用いる分泌液で満たされていました。したがって、繁殖を終了した成虫が防衛物質を蓄えることで防衛を行うと考えられます。

 以上の結果から、ヨシノミヤアブラムシでは繁殖を終えた雌の成虫が自己犠牲的な防衛を行うことにより血縁個体を助けることがわかりました。ヒトではおばあちゃんが蓄えた知識・経験が社会の中で役立っていますが、ヨシノミヤアブラムシにおいても、加齢に伴い蓄えられた防衛物質が血縁個体を守るのに大きく貢献しています。今回の研究は、知能の高い哺乳類に限らず繁殖終了後の利他行動の進化が可能であることを示すものであり、今後の研究によって、繁殖終了後の延命をもたらす進化学的・生理学的メカニズムの解明にもつながることが期待されます。


4.発表雑誌
 Current Biology誌、オンライン版に6月17日(アメリカ東部時間)掲載予定
 論文タイトル
 “Altruistic colony defense by menopausal female insects”
 (閉経を迎えた昆虫の雌による利他的なコロニー防衛)
 Keigo Uematsu, Mayako Kutsukake, Takema Fukatsu, Masakazu Shimada, Harunobu Shibao


5.用語解説:
(注1)社会性アブラムシ
 ミツバチ、アリ、シロアリ、アザミウマ、寄生蜂、キクイムシなどに加え、アブラムシにも社会性を有するものがいる。社会性昆虫の特徴として、繁殖に専念する個体(例:女王蜂)のほかに、自分の繁殖を犠牲にしてメンバーを助ける利他的階級(例:働き蜂)の存在が挙げられるが、社会性アブラムシの場合、利他行動を行うのは「兵隊」と呼ばれる個体である。兵隊の主な役割は外敵に対するコロニー防衛であるが、巣内の清掃や壊れた巣の修復をする兵隊も知られている。

(注2)虫こぶ
 虫こぶは、昆虫類などの寄生の影響により、植物の芽や葉などの一部がふくれて変形したもので、内部が空洞になっており、そこに暮らす昆虫に食物と住みかを提供する。虫えい(ちゅうえい)やゴール(Gall)と呼ばれることもある。アブラムシにおいては、摂食時に口針から注入される唾液成分によって虫こぶ形成が誘導されると考えられているが、その機構は不明である。

(注3)ヨシノミヤアブラムシ
 アブラムシ科(Aphididae)ヒラタアブラムシ亜科(Hormaphidinae)ムネアブラムシ族(Nipponaphidini)に属する昆虫。学名はQuadrartus yoshinomiyai。常緑のイスノキ(Distylium racemosum)に径3cmほどの不定形の虫こぶを形成する。


 ※図は添付の関連資料を参照

● 関連リンク
東京大学 ホームページ

● 関連資料


(2010/06/18 日経プレスリリース)



(´-`).。oO(おばあちゃんの知恵効果か・・・)
タグ:新発見
posted by まろんど at 00:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 虫全般・研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月11日

街路樹の虫に恐々 苦情10年で倍増 仙台・泉区役所

http://www.kahoku.co.jp/news/2010/06/20100608t15045.htm

 多くの街路樹を抱える仙台市泉区役所が、夏を前に住民から寄せられる虫の駆除要請に戦々恐々としている。街路樹に付く虫の多くは「不快害虫」で素手で触れなければ害はない。それでも、「緑は好きでも虫は嫌い」という住民の苦情は増える一方で、手間や費用が増大している。

アブラムシ.jpg

泉区紫山地区の街路樹に付いていたアブラムシ



見回りをする泉区職員.jpg

かつて虫の駆除要請があった地区で見回りをする泉区職員=仙台市泉区高森3丁目


<触れなければ無害>
 泉区公園課には例年5月から「街路樹に虫がいる」「(虫の)分泌物が落ちてくる」といった苦情が寄せられる。年間50件前後。初夏にピークを迎え、昨年は6月が19件、7月が13件、10月まで毎月数件ずつ続いた。
 見つかる虫の多くはアブラムシのほか、アメリカシロヒトリやイラガなどガの幼虫。見た目は不快だが、触れなければ人体には無害だ。
 問題は処理の手間と費用。薬剤による虫の駆除費は年間約450万円。枝切りなどで対処する場合もあり、それらも含めた管理費は年間約1億3000万円に上る。

<5区で最多の本数>
 管理費が膨れあがる背景には泉区特有の環境がある。宅地開発が進んだ泉区内の街路樹は約1万5000本。7000〜1万3000本のほかの4区よりも多い。
 本数以外にも理由がありそうだ。枝切りや除草なども含め、区に寄せられた街路樹に関する苦情は2000年の約800件から昨年は約1570件と10年間で倍増。虫などに敏感な住民が増えていることがうかがえる。
 住民の反応には致し方ない面もある。毎年、梅雨時にガの幼虫を目撃する泉区高森の60代の主婦は「緑は好きだが、虫は気持ち悪い。道に落ちた虫のフンも気になり、放置できない」と漏らす。

<行政への要望拡大>
 「通報」を受けるたびに職員は現場に向かうが、財政難で予算と人員が限られる中、業務は「パンク寸前」(泉区)の状態だという。
 泉区公園課は「環境や緑に対する住民の関心が高まるのはいいこと」としながらも、一方で「昔なら、その季節特有と割り切ることができた現象まで、行政に処理を求める人が増えている。行政に求められる領域が広がっているような気がする」と住民感覚の変化に戸惑っている。

(2010年06月08日 河北新報)



(´-`).。oO(なんか微妙にわがままですね・・・)
タグ:害虫
posted by まろんど at 19:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 虫全般・研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月29日

「虫の日」に害虫知って

http://www.townnews.co.jp/0108/2010/05/27/49063.html

 6月4日(金)の「虫の日」に、有害な虫や獣を知るためのイベントが新都市プラザ(横浜駅東口そごう前広場)で開催される。主催は、県内の害虫駆除業者らが加盟する(社)神奈川県ペストコントロール協会。

 同イベントは、日常生活で接する様々な生き物に関心を持ってもらい、それらへの対処法を学んでもらおうとするもの。当日はスズメバチなどのハチの巣やハクビシンなどのはく製が展示され、体験コーナーではダニ類などを顕微鏡でのぞくことができる。同協会会員による相談コーナーも。

 午前10時〜午後7時。入場無料。詳細は同協会【電話】045・681・8585。

(2010年5月27日 タウンニュース 神奈川)



(´-`).。oO(6月4日・・・ムシの日か・・・)
タグ:害虫
posted by まろんど at 20:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 虫全般・研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。